*[政治]12月17日未明(ブリュッセル時間)、EU25カ国首脳(Przywodcy "25")は、 2007−2013年のEUの中期予算交渉(negocjacja w sprawie budżetu Unii Europejskiej na lata 2007-2013)に決着をつけ閉幕した。

すでに国内でも新聞報道が詳しくなされているが、今回の合意のポイントに付いて、いくつか箇条書きにまとめてみた(なお、以下の内容に付いては、新聞「赤旗」の報道をベースに、現地紙の報道内容を加えさせていただきました
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-12-18/2005121806_01_3.html)。

①英国が特権時に受け取っている拠出金の払い戻し問題(problem rabatu brytyjskiego)
⇒2007−2013年の間に英国が払い戻し享受額全体の約20%(105億ユーロ)を放棄することで一致。

②EU予算の4割を占める農業補助金の削減問題。
フランスとポーランドが抵抗。抜本的な解決は、2009年の次回交渉に先延ばし。

③打開の決め手となったのはドイツのメルケル政権がフランスと共同で出した妥協案。
⇒英国に拠出金払い戻しの断念を要請。
*とくに、ドイツ政府は、EUの予算規模を130億ユーロ増大することを主張すると共に、自国(旧東独およびバイエルン州)向けの構造基金受け取り予定額から1億ユーロ相当を差し引いて、ポーランド政府に譲ることを表明するなど、自国の「献身ぶり」をアッピールするのに大童であった。

④予算規模に付いて
⇒年間予算規模を現加盟25カ国+ブルガリアルーマニアのGDP比1.045%にすることで合意。
*予算規模の縮小を目指すEU議長国英国がもともと主張していた1.03%と前議長国のルクセンブルクが主張した1.06%の間をとった(2007−2013年までの予算総額は約8600億ユーロ、これを単純に7年間で割れば、年間予算規模は、1230億ユーロ弱となる)。

ポーランドの構造基金受取額に付いて
⇒590億ユーロの受け取り(現在のEU議長国である英国の当初案より30億ユーロ多く、今年6月までのEU議長国であったルクセンブルクが出していた案よりは20億ユーロ少ない)で決着(『共和国』紙12月19日)。
*同日付け『共和国』紙に拠れば、ポーランド政府のEU構造基金からの支援受け取り額(pomoc strukturalna Unii dla Polski)は、以下のようになる。
2004年(30億9600万ユーロ)、
2005年(35億700万ユーロ)、
2006年(45億2800万ユーロ)、
2007年(77億4400万ユーロ)、
2008年(80億6300万ユーロ)、
2009年(83億8900万ユーロ)、
2010年(83億8900万ユーロ)、
2011年(87億200万ユーロ)、
2012年(90億1100万ユーロ)、
2013年(93億5800万ユーロ)。