2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ワルシャワは毎日、零下30度以下、バスの窓が厚い氷で覆われて外が見えない。ついつい、バス停を見逃しそうになってしまう。

昨日は、ついに、「厳しい寒さのため、1月29日までの間、お客様の申し出が無い限り、主要停留所以外ではドアを開きません」という張り紙まで出た。スーパーでは、スキー服を一般のジャケットとして売っている(当然、手袋もスキー用)。 寒さに強いはずの…

ポーランドでは、政府が隠然として経済界に勢力を張っており、半官半民、あるいは、国営のまま残されている大企業の重役会の椅子は、政権が交代する度に、その政権の息がかかった連中へと渡る。

今朝早くに下シロンスク地方の小都市を訪ね歩いた旅行から戻ってきた。詳細は、『ポーランド経済再生の現場を行くシリーズ 2』に譲るとして、今日は、少し違った観点からポーランド経済を眺めてみたいと思う。

自分で言うのもなんだが、私は料理が上手い。今日も、ハンガリーの代表的な料理である「グヤーシュ」を作ってみた。まず骨付き牛肉1キロを丁寧に脂肪を取り除いて角切りにする。牛肉は骨付きを選ばないと美味しくない。にんにくを炒めた上にドンドン肉を載…

ワルシャワ郊外にジェラニィ(Zeran)という地区がある。ここには、戦前からフィアット社の自動車組み立て工場があった。戦後は、「個人用自動車工場」(FSO)という素っ気の無い名前に改名して、フィアットからライセンス供与を受けたセダンを生産していた。

FSO社も、体制転換後をさまよい歩き続ける企業の一つである。同社の最近の歩みを纏めてみた。 1988−89年 ダイハツ、ルノーが経営参加も含めた提携話を打診。 とりわけ、ダイハツは、ポーランドを拠点として、フル車種生産体制を敷き、一挙に東欧市場と…

先週金曜日(1月6日)、ルビンスカが解任された。彼女は、稚拙な外資批判を口にするなど、その大臣としての資質には大きな疑問が投げかけられていた人物であった。

後任は、Zyta Gilowska(ジタ・ギロフスカ)女史である。彼女は、もともと、野党POに所属する議員であったが、自らの事務所に親族を雇用していたことが問題視され、事実上の除名処分となり、2005年5月からは無所属議員となっていた。 その後、迎えた総…

 私は、Ministerstwo Skarb Panstwaを文字通り「国庫省」と訳してきたが、その機能を考えると、「国有財産省」という訳も名訳であると思われる。ついては、大方博雅の士のご意見を乞う次第である。

ミコシュ解任

今朝の『共和国』紙一面を見て驚いた。ミコシュが解任(odwolany)させられたと言うのだ。 迂闊であったが、ミコシュが民間から入閣したことに初めて気が付いた。 駐ポーランド日本大使館政務班の作成したデータは以下のように語る。 ○国有財産相 * アンジェ…

リベラル派の『共和国』紙が、右派PiS政権への攻勢を強めている。目下、同紙が全力で取り組んでいるのが、国庫省大臣アンジェイ・ミコシュ(Andrzej Mikosz)にまつわる疑惑解明である。

1月3日付けの同紙トップ記事は、2002年、ミコシュの妻であるクリスティナ(Krystyna)が、ポーランドの代表的な金融マフィアの一人、ヴィトルド・W(Witold W.)なる人物に、個人財産から30万ドルを委託、資産運用を任せていたのではないか、と報じ…

ラザロヴィチはその後、第14国民投資基金(XIV NFI)の総裁の座に収まっており、2004年には、違法行為で逮捕歴もある投資家、ピョトル・グウォヴァリ(Piotr Glowali)の殺害にも関与していたのではないかと疑いが持たれている。

面白いのは、これらの事実が、ポーランドで金融市場における不法行為を監視している「有価証券・金融市場委員会」(Komisja Papierow Wartosciowych i Gield)および「金融情報総検事局」(General Inspektorat Informacji Finansowej)の連名で明かされ、経済犯罪容疑で、ワルシャワ地方検察庁(Warszawska Prokuratora Okregowa)に起訴(zawiadomienie)されたにも関わらず、検察側では、起訴を取り下げ(umo

この件を担当したワルシャワ地方検察庁第5局の検事、レシェク・クルリク(Leszek Krolik)は、「捜査(ustalenie)からはヴィトルド・Wとラザロヴィチが共謀関係(byc w zmowie)にあったことは確認できなかった」と証言している。 ポーランドでは、強大化…