政治

ここ数日間、ポーランドのマスコミは、マタ・ハリ(第一次世界大戦の伝説的な女スパイ)の異名を取る政治家、レナタ・ベゲルの話題で持ちきりだ。

先週木曜日、ヤロスワフ・カチンスキ首相(法と正義)は突然、アンジェイ・レッペル農相(自衛)の解任を発表、自衛との連立も解消し、法と正義は少数与党となった。その直後から、自衛のもとを去り、法と正義に合流しようとする造反議員が現れた。しかし、…

9月6日水曜日夕刻、ワルシャワ・オケンチェ空港にて、595グラムのヘロインをマトリョーシカ人形に紛れ込ませてポーランド入国を果たそうとしたかどで、キルギスの反体制派政治家、オムルベク・テケバイェフ(48歳)が現行犯逮捕された(ガゼタ・ヴィボルチャ紙9月9日号)。

2005年春のチューリップ革命以来、キルギスでは、新しく政権を組織したクルマンベク・バキイェフ大統領とテケバイェフ下院議長との間で、政策路線を巡って激しい対立が続いているとされる。テケバイェフはバキイェフの政治路線を「何でも急ぎ過ぎ」であ…

ポーランド南部から次々と入る自動車産業関連の威勢の良いニュースとは裏腹に、カチンスキ・ブラザーズのお膝元ワルシャワ発のニュースは、「国防上の重要企業」(具体的には石油精製の大手、PKNオルレン社を指す)の再国有化法案などのおどろおどろしいネタばかり、、、、 ラ・マンチャの男よ、そんなに急いでどこに行く??

【チェンストホヴァ、カトヴィツェ発】 8月1日付PAPニュースによると、自動車用安全部品(シートベルト、poduszki powietrne=エアクッション、ABSシステム)生産の世界最王手、米TRW社(2004年の全世界売上高120億ドル、全世界雇用6万1000人…

第I部: コードネームは「ベアタ」

7月7日付けの日記でも書いたように、ポーランドでは、しばしば、政府関係者に対して、共産主義時代に秘密警察の一員(etatowy oficer)あるいはその秘密連絡員(TW: tajny wspolpracownik)であったかが裁判所で問われ、場合によっては政治生命を奪われる…

本日7月7日午後8時(日本時間8日午前3時)マルチンキェヴィチ首相が辞意を表明した。今のところ、後任は、カチンスキの実兄に当たるヤロスラフ・カチンスキが就任することが有力視されている。

首相辞任を受けて、早くも、同国通貨ズウォティは主要国通貨に対して、軒並み下げ始めている。 明らかにマーケットは、今回の辞任を悪材料として見ている。予てより首相は、先日辞任したギロフスカ蔵相を高く評価しており、蔵相の辞意表明後も彼女の慰留に向…

今日は、BPH-Pekao銀合併問題に付いて簡単に触れた後、「世界大テレビ戦争」と題して、今執筆中のとある原稿から、目くるめく変化する、ポーランドのテレビ生産業界の勢力図に付いて紹介したい。

毎週、月〜木の午後10時40分頃から3チャンネル(ポーランドテレビ1)で、Prosto w oczy(直視)という番組をやっている。 この番組の司会は、モニカ・オレイニク(Monika Olejnik)という、ポーランド女性の中でもとりわけ、サド気が強そうなジャーナ…

以下の文章は、前回のポーランド政治キーワード論:「コスメティシズム」と「大シスマ」の続編です。

「大シスマ」に関しては、周知の通り世界史の用語であり、11世紀末にカトリック教会と東方正教会が分裂(東西分裂)した事件を指す。 キリスト教会内部での教義解釈のズレという、やもすれば高踏的な対立軸が「大シスマ」の直接的な原因であるが、実は、そこ…

さてさて、久しぶりの日記登場である。日記更新をしていなかった間、却って、ポーランド政治の諸相を現す言葉選びに専念できた気がする。

一つのキーワードは、「コスメティシズム:Cosmeticism」、もう一つのキーワードは、「大シスマ:Great Schism」である。「コスメティシズム」とは、化粧品(コスメティックス)から出た単語で、愛用のALC社ウェブ英和辞典(www.alc.co.jp)には、未収録なの…

ワルシャワは毎日、零下30度以下、バスの窓が厚い氷で覆われて外が見えない。ついつい、バス停を見逃しそうになってしまう。

昨日は、ついに、「厳しい寒さのため、1月29日までの間、お客様の申し出が無い限り、主要停留所以外ではドアを開きません」という張り紙まで出た。スーパーでは、スキー服を一般のジャケットとして売っている(当然、手袋もスキー用)。 寒さに強いはずの…

先週金曜日(1月6日)、ルビンスカが解任された。彼女は、稚拙な外資批判を口にするなど、その大臣としての資質には大きな疑問が投げかけられていた人物であった。

後任は、Zyta Gilowska(ジタ・ギロフスカ)女史である。彼女は、もともと、野党POに所属する議員であったが、自らの事務所に親族を雇用していたことが問題視され、事実上の除名処分となり、2005年5月からは無所属議員となっていた。 その後、迎えた総…

昨日、国会で「家族給付金法改正法」(Zmiany w ustawie o swiadczeniach rodzinnych)が採択された。改正のポイントは、新生児出産時の出産祝い金の大幅増額であった。ポーランドでは、出産祝い金のことを比ゆ的に「赤ちゃんの前掛け: becikowe」と呼んでおり、新聞の見出しにもこの単語が頻出している。

ポーランドでも少子化は深刻な問題となっており、出生率は、2004年には、全体で1.227%(都市部では1.124%、農村部では1.400%)となっている。これは、2005年度の日本の出生率速報値1.26±%よりも低く、深刻な数字である。 事…

朝から陰鬱な気分である。先日、警察官との個人面接も済ませ、いよいよ、ヴィザ発給手続きの第二段階を済ませなければならない。

イミグレを出る頃には午後2時を回っていた。王宮(Zamek Krolewski)の傍で、異様な集団に出くわした。地元のボーイスカウト(harcerz)の青年たちが、社会主義時代のMILICJA(民警)の制服(mundur)に身を固めてたむろしている(民警とは社会主義にロシア語…

ひょんなきっかけで、EUにおける日本企業によるロビー活動について調査、リポートをすることになった。

グーグルで、「日本企業 EU ロビー活動」とキーワードを入れてみると、『日本機械輸出組合』(Japan Machinery Center for Trade and Investment)という聞き慣れない機関が出てくる。 そもそも、同組合は、1952年、「輸出入取引法」によって設立され…

一月ほど前から、東欧にCIAの秘密刑務所(tajne wiezienia)があるのではないかという疑惑がポツリ、ポツリと報道されるようになってきた。

数週間前に米有力紙「ワシントン・ポスト」が初めてこの疑惑に付いて取り上げ、次いで、世界的な人権問題NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチが、「CIAが使用している航空機の飛行経路の分析結果から(そんな面白い資料があるなら、毎日でも公開して戴き…

反ロ派として知られるレフ・カチンスキが大統領に就任してから、ロシア側による政権揺さ振りとも取れる、ポーランド産食肉の輸入禁止措置(11月10日)、農産加工品の輸入禁止措置(11月14日)が相次いで発令された。

ロシア当局は、「ポーランド産の食肉が、ロシア連邦が定める衛生基準を満たしておらず、偽の検疫証明書を用いての輸出が激増している」ことを理由として挙げている。これを受けて、ポーランド当局は、調査委員会を設置すると共に、11月24日付けで欧州委…

本日、11月11日は、ポーランドが1918年に123年間の三国分割(独・墺・露)を経て、独立を果たした日である。独立の英雄、ピウスツキ(Pilsudki)将軍が活躍していた頃のスタイルで騎馬隊が旧市街を練り歩くというので、出掛けてみた。しかし、時すでに遅し。付近には、馬がつい先ほどまでいたことを示す獣臭が残るのみであった。

そこで、ピウスツキ将軍広場へと行ってみる。この広場の北側には、衛兵に守られた無名戦士の墓があり、その奥には、巨大な水盤があることで知られるサスキ公園が控えている。広場の西側には、社会主義時代に西側との協力で建てられた70年代風の高級ホテル…

今日は日曜日、朝からブルガリア産の若い赤ワインを炭酸水で割って楽しんでいる。

さて、週末には相次いで、マルチンキェヴィチ(Marcinkiewicz)新首相、ルビンスカ(Lubinska)新蔵相の発言があった。新首相は、「安価な政府」(Tanie panstwo)プランを政策の目玉に掲げており、政府職員数の20%カット、汚職で揺れたラジオ・テレビ放送国…