今日は日曜日、朝からブルガリア産の若い赤ワインを炭酸水で割って楽しんでいる。

さて、週末には相次いで、マルチンキェヴィチ(Marcinkiewicz)新首相、ルビンスカ(Lubinska)新蔵相の発言があった。新首相は、「安価な政府」(Tanie panstwo)プランを政策の目玉に掲げており、政府職員数の20%カット、汚職で揺れたラジオ・テレビ放送国家評議会(KRRiT)を始めとする諸政府系機関の閉鎖を示唆している。加えて、雇用対策(現在の失業率は17%強)として、新規雇用を実現した事業所に対して、所得税社会保障負担の減免を行うとしている。一方、首相は、本来、中銀の専管事項である金融政策にも介入する姿勢を見せており、外為市場へも介入の意向を示している。
雇用政策を巡っては、雇用の維持にも精一杯な大部分の企業にとって不公平であるとの批判、外為市場介入の是非を巡っては、油価が上昇している側面で為替安政策を採ることへの慎重論も根強い。ただし、「安価な政府」を目指すとの首相の基本姿勢には同意できる部分も大きいと思われる。
物議を醸したのは、ルビンスカ新蔵相が英フィナンシャル・タイムズ紙と行った会見の内容である。
彼女は、シュチェチン大学経済学部の教授で、製造業への外資誘致に意欲を見せると同時に、サービス産業(主として流通業)への外資流入には、英国系のテスコを名指しにして、感情的とも言える「外資系スーパーマーケット不要論」をぶち、これがFT紙の一面に載ったのである。FT紙によれば、テスコは現在、ポーランドで80箇所のマーケット網を有し、2万人の雇用を行っているという。
ただし、彼女の発言の主眼は、国家主導によるハイテク産業育成策など、製造業に基礎を置いた「産業立国」への道を示すことに置かれていた。これは、かつての我が国の政治家がしきりに語っていたのと全く同じ言葉である。
中道右派系の連立内閣の舵取りに注目が集まる中、両人の発言は、新内閣の行く末に、まずは期待を抱かせる内容であったと思われる。