2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ポーランド―ウクライナの国境地帯に流れるブク川を巡っては、「ブク川の向こうの同胞」(Rodzacy za Bugiem)という言葉がある。これは、同国の長い対ロシア蜂起の歴史の中でシベリアに追放されたポーランド人や旧ポーランド領であった現在のリトアニアやベラルーシ、ウクライナ西部といった地域に戦後も踏みとどまったポーランド系住民を指す言葉である。

2004年のEU加盟後、ポーランドから英国、アイルランド等のいち早く旧東欧諸国に対して労働市場を開放したEU諸国への移民が急増し、一部地域では労働者不足が深刻化し始めている。労働力不足を解決する切り札としてポーランド政府が期待を寄せているのが…

『スターリンが建てた映画館』にしてワルシャワを代表する映画スポットのひとつ、科学文化宮殿内「キノテカ」(Kinoteka)へと久々に行ってみた。社会主義時代に建設された巨大映画館が次々と閉鎖、取り壊しされる中(惜しかったのは、ワルシャワ経済大学の近くプワフスカ通りにあったモスクワ映画館だ。いまでは同じ場所にシルバー・スクリーンが建っている)、ここは社会主義時代の雰囲気を楽しむことができる稀有な場所のひとつとなりつつある。

今日見てきたのは、『幸せ』(Stesti:シテェースティー)というタイトルの2005年チェコ映画。 映画の舞台はうらぶれたチェコの地方工業都市、その町に生きる貧しい男女のささやかな愛の物語である。Monika (Tatiana Vilhelmová), Toník (Pavel Liška) a …