マフィア

第I部: コードネームは「ベアタ」

7月7日付けの日記でも書いたように、ポーランドでは、しばしば、政府関係者に対して、共産主義時代に秘密警察の一員(etatowy oficer)あるいはその秘密連絡員(TW: tajny wspolpracownik)であったかが裁判所で問われ、場合によっては政治生命を奪われる…

どこの国でも石油産業というものは、利権にまみれて全体が把握しにくい産業のひとつだろう。

産油国でないポーランドもその多分に漏れない。 なにか面白い記事はないかとネットを漁っていると、「シェミョントコフスキがJ&Sに勝った」(http://www.wprost.pl/ar/?O=89649&C=73)と題するフプロスト誌の最新記事が出てきた。 このJ&Sという会社、200…

リベラル派の『共和国』紙が、右派PiS政権への攻勢を強めている。目下、同紙が全力で取り組んでいるのが、国庫省大臣アンジェイ・ミコシュ(Andrzej Mikosz)にまつわる疑惑解明である。

1月3日付けの同紙トップ記事は、2002年、ミコシュの妻であるクリスティナ(Krystyna)が、ポーランドの代表的な金融マフィアの一人、ヴィトルド・W(Witold W.)なる人物に、個人財産から30万ドルを委託、資産運用を任せていたのではないか、と報じ…

今から1、2年ほど前、SLD(民主左翼連合)政権の末期には、様々な政治疑獄事件が明るみに出ては、十分な真相解明が行われないまま、迷宮入りとなっていった。

ワルシャワの南西にプルシュクフ(Pruszkow)という小さな町がある。ここを拠点に活動していたギャング団、「プルシュクフ一味」(Gang Pruszkowski)がSLDに対して、宝くじ業から得た資金の一部を「みかじめ料」(haraczy)として上納していたのではないかとの…