本日、11月11日は、ポーランドが1918年に123年間の三国分割(独・墺・露)を経て、独立を果たした日である。独立の英雄、ピウスツキ(Pilsudki)将軍が活躍していた頃のスタイルで騎馬隊が旧市街を練り歩くというので、出掛けてみた。しかし、時すでに遅し。付近には、馬がつい先ほどまでいたことを示す獣臭が残るのみであった。

そこで、ピウスツキ将軍広場へと行ってみる。この広場の北側には、衛兵に守られた無名戦士の墓があり、その奥には、巨大な水盤があることで知られるサスキ公園が控えている。広場の西側には、社会主義時代に西側との協力で建てられた70年代風の高級ホテル、ヴィクトリア(Viktoria)が、東側には、生き物のシルエットを写したような90−00年代風のバンク・ナシオナル・ド・パリ=パリバ銀行のビルが横たわっていて、なかなかグラフィカルな印象を受ける。
無名戦士の墓の前では、反EUを旗印にしたアジ演説が行われていた。
昨日の首相弾劾投票の結果は、否と出て、マルチンキュヴィチ内閣の行く末も一安心とはなったが、リベラル派の市民プラットフォーム(PO)、また、旧共産党の流れを汲み現在は安定した中道左派政党となっている民主左翼連合(SLD)が弾劾に賛成票を投じ、首相を支持したのは、中道右派のPiS(法と正義)、ナショナリスト政党である自衛(Samoobrona)、ポーランドの家族連合(LPR)、ややナショナリスト的色彩の強い農民党(PSL)のみであった。
当初は、中道右派同士であるPOとPiSの連立内閣が発足するかと思われていたが、これで、両者の溝は益々、深まることとなった。
ただし、さすがに、PiSの中にも、自衛、ポーランドの家族連合と連立を組むことには慎重論も根強い。マルチンキェヴィチ内閣は少数与党政権として短命に終わり、政権交代になるとの見方も現実味を帯びてきた。
独立記念日に広場に集まる人々の会話にも、政治ネタが多かったように見受けられた。
今年の冬は、ここ、20年来とも30年来とも言われる大寒波に見舞われるとの観測が出ており、厩舎ではすでに馬達が例年に無く超え太って、冬将軍に備えているという。
冬の吹雪の訪れを前に、政局の見通しも風雲、急を告げている。