誰からもほとんどコメントの来ない日記を書き続けるというのも、なかなかストイックで乙なものである。

czarnykint2005-12-19

この週末はほとんど何もしなかった。ただ唯一したことと言えば、件のユダヤ劇場に行って、念願の『屋根の上のバイオリン弾き』(Skrzypek na dachu / Fiddler on the roof)を見に行ったことだろう。久しぶりにお芝居らしい芝居を見て、大いに溜飲が下がった。
原作者は、Szolem Alejcham(ショーウェム・アレイハム、1859年ロシア生まれ、1916年ニューヨークで没。ユダヤマーク・トウェイン『Zydowski Mark Twain』の異名を持つ劇作家)、Norman Jewison監督の手で70年代に映画化もされている(日本のビデオレンタルでも借りることが出来る)。なんと言っても、本作品は、ブロードウェイ・ミュージカルで9年間に渡り上演され続け、3300回の上演回数を誇る名作中の名作ミュージカルのポーランド語版である。
私は映画版でしか見たことがなかったのだが、やはり、英語ではなくて(より現実に近い)ポーランド語とイディッシュ語の交じり合った台詞で生舞台を見ると、分からない部分が多くとも、圧倒的なリアリティが感じられる。
ツェイトル(Cejtl)と若き革命家との胸詰まるような愛の逃避行、信念を貫き通したハヴァ(Chawa)の悲恋、アナテフカ(Anatewka)村の解体の悲劇のシーンなど、何度見ても泪が溢れて止まらない。
久しぶりに、マーテルを片手に深酒をしてしまった。