歴史

鳴り物入りで完成したワルシャワ駅前のショッピングモール、ズウォティ・タラスィ(Zloty Tarasy)の売り上げが低迷しているという。ズウォティ・タラスィについては、本ブログ号でも酷評しているが、建物の概観は立派でも中身が充実しない新ショッピングモールが、最新モードを追い求める「着倒れポーランド女性」のおめがねに適わなかった事は、もはや疑いようのない事実である。

ワルシャワは現在、建築ブームの只中にあり、地下鉄ヴィラヌフ駅の近くなどでは、富裕層向けに大規模な高級賃貸マンションの建設が進行中だ。だが、新興住宅地の建設、相次ぐ高速道路の整備などは、どこか新興国らしさを感じさせる月並みなテーマである。そ…

今日は、寮の近くにあるヴォルスキ墓地、ワルシャワ蜂起犠牲者墓地、ヴォルスキロシア正教墓地と墓地を三箇所回った。写真にあるPとWを組み合わせた文字は、ポルスカ・ヴォルノシチ(自由ポーランド)という単語の頭文字から来ており、ワルシャワ蜂起のシンボルだった。墓地の解説文に拠れば、戦後の1946−47年に掛けて大規模なエクスホヴァニェ(遺体発掘)が市内で行われ、その際に収容された遺体がこの地に眠っているという。無数に点された蝋燭の中を歩くと、この国がかつて支払った代償の大きさが改めて胸にずんとのしかかってくる。

ロシア正教墓地では、教会でミサが行われていた。いつも思うことだが、僧侶の衣装といい、宗教歌といい、正教のほうがカトリックのそれよりも効果的な演出を行っているように感じる。それは、かつてのビザンチン帝国の栄光を今に伝えているようでもあり、ま…