2月15日締め切りの原稿を抱えて大童。月曜日には、いよいよ待望のマンションへと引越しも控えている(30㎡で都心)。さよなら、僕の最初のワルシャワ、寮で過ごした短かけりし日々よ、、、

文化レベルとして見たときのワルシャワとトーキョーの違いは何かということを考えてみた。
演劇、芸術活動(アングラも含めて)という観点からは、恐らく、ワルシャワとトーキョーのレベルは差して変わらない。
ただし、決定的にトーキョーが優位に立つのは、グルメの世界だ。
ワルシャワにも高級レストランと呼ばれる店は多々存在するが、それは一般社会から完全に遊離している金持ちクラブだ。
一方のトーキョーでは、星の数ほどある高級レストランの席を埋めるのは、金満家であったり、仕事帰りの男女であったり、会社の接待客であったり、十人十色、今日はちょっと特別な贅沢したいと思えば、1万、2万のカネを出しても良いと思っている人間が社会の端々にまで溢れている。

だがしかし、そんなトーキョーにも、高級レストランは金持ちのためのみに奉仕するという時代が確かにあったはずだ。軽い文学であれば『三島由紀夫のレター教室』、映画なら石原裕次郎主演作あたりを見てみれば、少なくとも昭和40年代までのトーキョーは、そんな世界であったと言えそうだ。

ポーランドは現在、高速道路建設ラッシュに沸いている。2013年までには、北はバルト海に面するグダニスクから南はチェコ国境に至るまで、西はドイツ国境からワルシャワを経て東はベラルーシ国境に至るまで、同様に、西はドイツ国境から南部の要衝を経て東のウクライナ国境に至るまでの計3本の大動脈が完成する予定で、高速道路の総延長キロ数は2000キロに達する見込みである(2006年現在では560キロ)。
更に、EUが推進する汎欧州第II回廊(コリドールII)事業が完成すればモスクワ−ベルリン間が高速道路で直結される。

ポーランドに住むようになってから、昭和40年代の日本に思いを馳せることが多くなった。
昭和44年5月には東名高速が全線開通、東京−大阪間が高速道路で結ばれた。その後、昭和47年には田中角栄の『列島改造論』が出されて、高速道路建設は一つのピークを迎えることになる。まさに現在のポーランドの諸相を髣髴とさせる。

ワルシャワでグルメが庶民の手にも届くようになるには、今しばらく時間がかかりそうだ。
トーキョーが持つ都市としての機能の一部を、グルメの世界が担っていることは間違いない。
今懐かしいものは何かと問われれば、あのトーキョーのグルメワールドだ、と答えるだろう。

ちょっと面白いHPを見つけた。トーキョーの名店が写真とルポで紹介されている。

http://blog.livedoor.jp/satoshi_38/