ワルシャワ証券取引所は連日の大商いで、5月11日(木)には、WIG(ワルシャワ証取指数)が史上新高値(45,894.55)を付けた。

マーケットの牽引役となっているのは、石油・ガス関連(PKN Orlen社、Lotos社、PGNiG社)、精銅(KGHM社)などの資源株である。
とりわけ、上海市場での銅価格高騰を受けて、欧州第2位の産銅量を誇るKGHM社の株価は135ズウォティ(約5100円)の高値を付けている。同社株価は、過去3か月間で1.8倍、半年間では何と2.7倍にも大化けした事になる。
実は、自分も一時期、KGHM株を所有していた(本ブログ11月10日号、12月23日号)。しかし、私の場合、結局、同社株を48.50ズウォティで購入し、60.60ズウォティで売却、20%ほどの利ざやを稼いで終わってしまった。
株価の上昇に釣られてすぐに売ってしまう、典型的な素人売りをやってしまったと言うわけだ。
その後、今年になってからTPSA(ポーランド電電)株を買ってみた。TPSAは、携帯電話市場にも参入しており、フランス・テレコム系のオランジュ(Orange)をポーランドで展開している。ポーランドの携帯電話市場は、Orange, Era, Plusの三社でほぼ寡占状態(市場シェアもほぼ拮抗)となっており、ここへ来て、勢力を増しつつあるように見えたOrangeの親会社TPSA株に投資する事は、悪くない判断であると思われた。
ところが、ふたを開けてみると、同社の株価は、ここ半年間で20〜25ズウォティ台を行ったり来たりを繰り返すばかりで、大きな動きが見られない。
来る6月には、同社の配当が待っているので、配当金をゲットしつつ、今しばらく動向を窺いたい。

それにしても、冒頭で述べたWIGの上昇振りには、目を見張るばかりだ。
過去1ヶ月間で+10%、3ヶ月間で+20%、6ヶ月間で+35%、1年間では何と+80%!!!!という驚異的な実績を挙げている。
こうなると、当然、調整(コレクタ)の大波が来ることは目に見えている。
そこでどんな株を買うべきか?
私はひとつの答えとして、近い将来に株式分割が予定されている製造業の超優良株(民族系製薬会社Bioton社株)を買ってみた。
同社は、インシュリンの生産量で世界第4位を誇り、オーストラリア証取に上場しているシンガポールの製薬会社であるSciGen社を傘下に収め、共同で中国工場の建設を計画するなど、もしかすると、ポーランド企業として世界的な多国籍企業へと成長していく可能性を秘めた製薬メーカーなのである。その他にも、同社ではウクライナ、ロシアで大型プラントの建設を相次いで発表している。
そんなBioton社が、5月26日に1:5の株式分割を行うという。成長企業の手持ち株数が一挙に5倍になるという「夢のある」話に乗ってみたという訳だ。
加えて、同社では、額面20グロシェ(100グロシェ=1ズウォティ)で発行する新株を、既存株主に限って、期限付きで同21グロシェで販売する事も発表している。
なにやら、二度美味しそうな話であるが、同社株は、4月上旬に21.40ズウォティで購入したものが、直近では33.00ズウォティを付けている。わずか数週間で株価が+50%ほど跳ね上がった事になる。
利益確定の売りに出たい気持ちもあったが、ここはグッと堪えて、株式分割の日を待つこととしたい。