このほど、ブリヂストン社がポーランドで280億円(2億ユーロ)相当の投資を行い、トラック・バス用のラジアル・タイヤの生産を2009年中に開始することが発表された。

工場建設予定地は、対ドイツ国境に程近く、バルト海を背後に控えたスタルガルド・シュチェチンスキ(ポモジェ経済特区のサブゾーンに指定)で、2011年上半期までに日産5000本体制を敷く意向である。
同社は、ポーランドですでに2拠点(ポズナンのタイヤ工場、1290名雇用。ヴァウブジフ経済特区ジャルフ・サブゾーンのキャタピラ・ゴム工場、1200万ユーロを投資、300名雇用)を稼動させている。


スタルガルド・シュチェチンスキの新工場は、ブリヂストン社にとって全世界51番目のタイヤ工場となり、東欧では、ポーランドに2工場、ハンガリーに1工場が置かれることになる。
今回の投資に関しては、ポーランド側の受け入れ態勢も万全であり、新工場の敷地を、2017年まで投資額の50%までの金額に充当する法人税の支払いが免除される経済特区に指定したほか、スタルガルド市では、2000万ズウォティ(7億6000万円)相当の地方債を2007−2010年にかけて発行し、ブリヂストン社の工場敷地予定地まで水道管の整備と道路網の整備を行うことになっている。


このところ、多くの外資が進出し、すでに人材確保が困難になっている南西部地域(ドルノシロンスク県等)を避け、背後に輸出港を控え、高失業率から人材の確保も容易な北部地方への日本企業の関心が富に高まっているように見受けられる。
今後、日経を含めた外資の立地選択は、いよいよポーランド全土を視野に入れたものへと変わっていく。それは、ポーランドが抱える深刻な地域格差の是正にも貢献するものとなり、大いに歓迎されるものとなろう。