社会党は、もともと、親ユシュチェンコだったが、モロス党首が最高会議議長の座を射止めることが出来なかったことから、次第に大統領サイドとの反発を強め、ヤヌコヴィチ陣営に付くこととなった。その際、社会党の口座には、地域党関係者から2億5000万ドル相当の送金があったとキエフでは囁かれているという(ポリティカ誌7月26日号)。

ただし、同誌は、ウクライナNATO加盟に関しては否定的な見方をしている。ひとつには、クリミア等でとりわけ反NATO感情が強いこと、また、NATO側でも、共産党を含む現連立政権を受け入れる準備は無いことが根拠として挙げられている。

ウクライナは軍事面ではあくまで中立を保ちつつ、経済面ではEUとの関係を強めるという、したたかな戦略を採ってくるかもしれない。