今ワルシャワでは、来週2月7日(水曜)にワルシャワ中央駅となりにオープン予定の大型ショッピングモール、「ズウォティ・タラスィ」(黄金のテラスの意味)の話題で持ちきりだ。同プロジェクトは、総工費15億ズウォティ(600億円)とも言われ、総床面積22万5000平方メートル(うち、オフィス部分が4万5000㎡、地下部分の面積が8万6000㎡)、地上7階建て、地下4階建て(うち、地下駐車場が2階分を占め、1万6000台収容可能)の超巨大プロジェクト(施主はオランダ系のING Real Estate)だ。


ただ、自分自身は、2月2日付けのガゼタ・ヴィボルチャ紙の記事を読んで意気消沈してしまった。
記事の伝えるところによると、同ショッピングモールには、ポーランド初の出店となるブランドとして、化粧品・アクセサリーのクレール、ボディ・ショップ、化粧品のMAC、プル&ベア(Pull & Bear)、ナフ・ナフ等が入り、同国初のハードロックカフェも進出するという。
この中で、プル&ベアというブランドについては初耳だったが、ネットで調べてみると、日本で「ザラ」を展開しているスペインのインディテックスInditex)グループに属するブランドで、2006年10月にはシンガポールに上陸し、アジア初進出を果たしたという。
http://www.fashionfromspain.com/icex/cda/controller/pageGen/0,3346,4928839_4934271_4931581_513266,00.html
恐らくザラ程度のブランドであるから、シャツが100ズウォティ未満(4000円)からせいぜい200ズウォティ(8000円)以下のレンジに収まるブランドであると思われる。同ブランドのホームページを覗いてみても、少しガキっぽい感じがして、服の作りも凝ったステッチを入れたようなものは見受けられないようだ。ナフ・ナフにしてみても、日本で女性たちが目を輝かせて買いに走るようなブランドでは決して無いだろう。
ポーランドでは、個人消費が旺盛な伸びを示していると言っても、日本の感覚からすると「お手ごろ」価格にあるブランドが「高級ブランド」として認知されている段階だ。


これら目玉ブランド以外にズウォティ・タラスィに入るブランドといえば、ポーランドのショッピングモール市場を席捲している感のあるスウェーデンH&M、ニューヨーカー、ロイヤル・コレクション、マークス&スペンサー、家電量販のサターンなど変わり映えのしないブランドばかり。
一方で、ポーランドのとりわけ女性を見ていると、彼女達がカラーコーディネート感覚に優れている事が容易に見て取れる。その意味では、同国は明らかに「着だおれ」文化に属する国であると思われる。ポーランドの所得水準が更に向上し、庶民の購買力が付いていくに従って、今後は、もうワンランク、ツーランク上のブランドがポーランドを主要な進出ターゲットして見据える時代がやって来るかもしれない。


なお、ワルシャワ市内の大手ショッピングモールの概要は以下の通り:

アルカディア(総床面積28万7000㎡、うち、商用スペースは11万㎡。店舗数184、レストラン(カフェ含む)数30、マルチ・コンプレックスは15ホール、スーパーとしてカルフールが入居、駐車場は4500台収容)

ブルーシティ(総床面積18万6000㎡、商用スペースは6万5000㎡。店舗数200(ATM、両替所等の施設含む)、医療クリニック施設1500㎡、遊戯施設5000㎡、オフィス部分3万㎡、駐車場は3400台収容)

ガレリア・モコトゥフ(総床面積13万㎡以上、商用スペースは6万㎡。店舗数240(ATM、両替所等の施設含む)、マルチ・コンプレックスは14ホール、スーパーとしてアルベルトが入居。遊戯施設3000㎡、駐車場は2600台収容)