12月24日から26日までは、ボジェ・ナロゼニェ(クリスマス)休暇となる。

czarnykint2005-12-28

知人宅を訪ねて、ワルシャワから南西に350キロ弱、旧ドイツ領のOpole(オポーレ)を訪ねた(行きの電車では4時間半、112ズウォティかかったところ、帰りのバスでは6時間、38ズウォティで済んだ)。
クリスマスイブ(ヴィギリア)の夜、午後6時、「一番星が現れる」時間になると家人がクリスマスツリー(ホインカ)の飾られた居間に集まる。この際、食卓のテーブルクロスの下には、五穀豊穣を願って、わずかばかりの干草を忍ばせておく。遥かに遠い昔には、部屋の片隅に干草の山を積んでいたとか。
食事の前に、家族が一人ずつ向き合って、オプワテク(oplatek)と呼ばれるイエスキリストやマリアの像が型押しされた、薄い四角形をしたウエハースを手に持ち、お祝いの言葉と願いの言葉を述べる。相手に対する願いの数だけ、オプワテクをちぎって、口にする(ポーランド北部に多い東方正教会の家庭では、オプワテクの代わりにプロスフェルと呼ばれる醗酵させないパンを食べるそうです)。
いよいよ待ちに待ったクリスマスのご馳走である。イブには肉食は厳禁、メインディッシュは鯉料理(今回はフライ)となる。鯉は淡水魚だけに匂いが気になるが、白身で柔らかく、なかなか美味しい。イブの食卓を飾ったのは、このほかに、キノコ入りピェロギ(ロシア料理のピロシキ)の赤ボルシチスープ、ジャガイモとにんじんのサラダ、自家製ニシンの塩漬けのマリネ風、加えて、本来、イブには禁止のはずのウォッカ、ワインも好きなだけ。夜遅くまで歓談が尽きることは無かった。
明くる25日には、昼下がりに教会のミサに出席。司祭の説教の合間にみなで聖歌(コレンダ)を合唱する(写真の右端に写っている数字は、次に何番のコレンダを歌うか予告するためのもの)。ポーランド語の教科書で親しんだコレンダを実際に歌うのは初めてで、いささか楽しい経験となった。クリスマス期間中には、祭壇の前にイエスキリストの生誕のシーンを再現したジオラマ風の作り物(szopka: ショプカ、英: crib, 仏: cre`che)が飾られる(写真)。
さて、25日、26日になると肉料理も解禁となり、25日の午後には、鶏肉のグリル、コピィトカ(馬の蹄の意味。ジャガイモに牛乳を混ぜてこね合わせ、湯通ししたもの。ポーランド南西部の郷土料理)のキノコソース、ビゴス(酢漬けキャベツとソーセージ、干しプラムのごった煮)、鶏肉をベースにパイナップル、干しレーズン、米を加え、マヨネーズで合えた特製サラダ+ウォッカをご馳走になった。
手の込んだ料理をいろいろと味わったクリスマス、今まで抑えていたグルメ癖に一気に火が付いてしまった気がする。
劇場通いにグルメとは、大幅な歳出増とならねば良いが、、、